アンビットエナジー日本撤退のワケと我々が学ぶべき教訓

いきなりの日本撤退に日本人は大慌て
2022年に衝撃なニュースが入ってきました。それは電気MLMのアンビットエナジが日本から事業を撤退する、と言うこと。アンビットエナジーは「電気のMLM」として、大々的に日本上陸してきました。今までの健康食品や化粧品という「買い込みを連鎖する」タイプのMLMに疲れたディストリビューターにとって、日々使う、使わないと生きていけない「電気」が商材と言うのは、目からうろこであった。これなら、必ずだれもが必要とする商材であり、かつ、使い始めたら死ぬまで使い続ける商材だからです。ところが・・・
その時アンビットエナジーに何が起きたのか!?
もう懐かしい感じもしますが、あんなの「素晴らしい画期的なMLM」と囃し立てられたのに、あっさり日本撤退したら、ビジネスメンバーにとっては、努力が一瞬で水の泡になりました。そこから私たちは何を学べばよいのでしょうか?じっくりお読みください。
電力自由化の波に乗って日本上陸したアンビット

2016年4月に家庭向けの電気の販売が自由化され、日本のエネルギー業界は歴史的な大改革を迎えました。これまでは大手の電力会社が独占していた市場に、いろいろな会社が新しく参入できるようになったのです。この大きなチャンスに目をつけたのが、アメリカのテキサス州ダラスに本社を置く「アンビット・エナジー」という会社で、日本でのビジネスに強い期待を寄せて参入しました。
アンビット・エナジーは2006年にアメリカで生まれ、「口コミ(MLM)」という独自の仕組みで急成長した電気の販売会社です。2017年に日本へ進出したのは、日本の家庭用電気の市場が約8兆円と非常に大きく、自由化をきっかけに人々の関心が高まっていたからです。同社は日本で初めての「電気専門の口コミ販売会社」として、従来の電力会社とは全く違う方法で活動を広げました。
アンビットは、大手電力会社より「必ず1%以上安くなる」という割引プランを武器にしました。電気代が「節約できる」という分かりやすい魅力は、一般のお客さんだけでなく、ビジネスとして広めたい人たちも強く引き付けました。電気は在庫や配達の心配がなく、どの家庭もずっと使い続けるものです。この「毎月必ず入ってくる安定した収入」という特徴と口コミビジネスの相性は抜群で、日本の業界でも大ヒットすると期待されていました。
親会社ヴィストラ・エナジーの考え
アンビット・エナジー・ジャパンの撤退を知るには、親会社であるアメリカの「ヴィストラ・エナジー」の動きがとても大切です。ヴィストラ社は2019年にアンビット社を買い取り、アメリカ国内での電気の販売シェアを大きく広げました。このときヴィストラ社は、アンビット社が持つ「人から人へ直接売る仕組み(口コミのネットワーク)」と優れたシステムを手に入れることで、家庭向けの電気販売で一番の会社になることを目指していました。
ヴィストラ・エナジーの経営指標と成長戦略の変遷
ヴィストラ社は、電気を作る「発電」から家庭に届ける「販売」までをまとめて行う、アメリカの大きなエネルギー会社です。しかし、アンビット社を買い取ったあと、会社の方向性を「とにかく規模を大きくする」ことから、「中身を重視し、地球に優しく長続きするビジネスにする」ことへと大きく変えていきました。
ヴィストラ社は2024年に原子力発電の会社を買い取り、AIやIT企業が大量に使う電気をまかなうため、「クリーンな電気をいつでも安定して作れる会社」へと生まれ変わることに全力を注いでいます。このように世界規模で戦略を変えていく中で、日本での「自前の発電所を持たずに、口コミで一般家庭に電気を売る」というビジネスは、会社が目指す方向性とは全く違う「おまけの事業」だと判断されたと考えられます。
2021年テキサス寒波の壊滅的影響

ヴィストラ社の経営に大ダメージを与えたのが、2021年2月にアメリカのテキサス州を襲った記録的な大寒波(冬の嵐)です。このありえないほどの大災害によって電気の供給システムが完全にストップしてしまい、ヴィストラ社は1000億円をはるかに超える信じられないほどの大赤字を出してしまいました。
この大寒波で、ヴィストラ社の発電所は燃料が凍りついて電気が作れなくなってしまいました。それなのに、寒さでみんなが電気をたくさん使ったため、電気の価格はありえないほど高騰してしまったのです。
ヴィストラ社は、お客さんに電気を届けるために、そのめちゃくちゃに値上がりした電気を無理して買い続けなければならず、これが大赤字の原因となりました。
この苦い経験から、会社は「自前の発電所がない場所で電気を売るのは、あまりにも危険だ」と身に染みて学びました。これが、のちに日本から撤退する最大のきっかけとなります。つまり、「日本に自前の発電所を持たないまま、いつ跳ね上がるか分からない電気の仕入れ価格の危険に、これ以上付き合いきれない」と判断し、早めに手を引くことにしたのです。
アンビット・エナジー・ジャパンの業績

アンビット社は、2017年に日本にやってきてから2020年までは順調にファンを増やしていました。2020年の売り上げは約75億円(前年より1割以上アップ)を記録し、翌2021年も約80億円にまで伸ばしています。これは、当時たくさんあった新しい電力会社の中でも、トップ50に入るほどの上位の成績でした。
成長が鈍り、コストが増大
しかし、売上は伸びていたものの、2021年になると勢いが落ち始めました。新しく会員になる人の数が、それまでの3分の1(毎月2,000人近くから、約600人へ)にまで一気に減ってしまったのです。このブレーキがかかった直接の原因は、2020年の終わりから2021年の初めにかけて、電気を仕入れる市場の価格が信じられないほど高騰してしまったことにありました。
日本国内で電気を作るためのガスが足りなくなったことと、厳しい寒さが重なり、電気の仕入れ価格が一時的にいつもの何十倍(1キロワット時あたり200円以上)にも跳ね上がりました。
アンビット社はお客さんを増やすために「大手より必ず1%安くする」と約束していましたが、仕入れ値がここまで高くなると、この約束のせいで「電気を売れば売るほど、大赤字がどんどん膨らむ」という、逃げ場のない大ピンチに陥ってしまったのです。
ロシア・ウクライナ情勢による決定打
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、すでにピンチに陥っていた日本の新しい電力会社にさらなる大打撃を与えました。世界中でガスが足りなくなったことで、日本の電気の仕入れ値はさらに跳ね上がり、先行きが全く見えない最悪の状況になってしまったのです。アンビット社も、この世界情勢の悪化が日本から身を引く決定的な理由になったと公式に発表しています。
| 時期 | 事象 | アンビット・エナジー・ジャパンへの影響 |
|---|---|---|
| 2020年末〜2021年初 | 国内電力市場(JEPX)の暴騰 | 調達コストの急増、新規獲得の大幅な減速 |
| 2021年2月 | 米国テキサス寒波(Winter Storm Uri) | 親会社ヴィストラの財務悪化、戦略の見直し |
| 2021年中盤以降 | 急激な円安の進行 | 輸入燃料に依存する電力価格の上昇圧力 |
| 2022年2月 | ロシアによるウクライナ侵攻 | 資源価格の高騰が決定的となり、日本撤退を決定 |
インフラMLMのリスクの検証
電気は誰もが毎月必ず使い続けるものなので、口コミのビジネス(MLM)にとって「これ以上ない最高の仕組み」と言われていました。しかし、アンビット社が日本から身を引いたことで、この仕組みが持つ「一度つまずくと一気に倒れてしまう」という、取り返しのつかない大きな弱点が浮き彫りになりました。
理想の不労所得だったはずが・・・
電気を使った口コミビジネス(MLM)の最大のメリットは、商品の配達や在庫の管理が全く必要ないことです。
- 誰もが必ず使う:
電気は今の生活に絶対欠かせないものなので、景気が悪くなってもみんなが使い続けます。 - おすすめしやすい:
「今と同じ電気を、もっと安く使いませんか?」と声をかけるだけなので、よく分からない健康食品を売るよりも、相手に怪しまれず気軽に勧められます。 - 毎月の安定収入:
お客さんが一度手続きを済ませてくれれば、あとは毎月の電気代からずっとお給料(ボーナス)が入り続けます。そのため、「自分がずっと働き続けなくてもお金が入るようになる」という大きな夢がありました。
実は会社としてリスクが大きすぎた
一方で、電気を売るビジネスは、もともと「利益がとても薄い」のが特徴です。大手の電力会社よりも安く売り続けるためには、会社を動かすための費用を極限まで削らなければなりません。
しかし、口コミのビジネス(MLM)という形をとる場合、どうしても次の費用が余分にかかってしまいます。
- グループへのボーナス:
仕組み上、上の立場の人たちにたくさんの報酬を支払い続ける必要があるため、会社の手元に残る利益がどんどん減ってしまいます。 - 見張りや教育の費用:
会員が強引な勧誘などのトラブルを起こさないよう、ルールを守らせるための教育やチェックに多くの費用がかかります。
アンビット社のように自前の発電所を持たない会社は、売るための電気を「よその市場」から買い取らなければなりません。仕入れ値が安いときは儲かりますが、電気代の元になるガスなどが値上がりして仕入れ値が何倍にもなると、お客さんへの販売価格を追い抜いてしまい、売れば売るほど大赤字(逆ザヤ)になります。
この口コミビジネスの仕組みは、そうした突然の仕入れ値のハプニングに対応できるほど万能ではなかったため、一度赤字の沼にハマると、もう誰も倒産へのブレーキを踏めなくなってしまったのです。
実はアンビットエナジーはアメリカで訴訟だらけ

アンビット社がアメリカで行ってきたビジネスのやり方は、何年もの間、法律や社会的なルールをめぐって大きなトラブルや議論になっていました。こうしたアメリカでの問題があったからこそ、日本でこれから長く愛され、信用してもらうための壁になっていた可能性があります。
米国での集団訴訟と「おとり商法」
アメリカでアンビット社は、多くのお客さんからまとめて裁判を起こされるトラブルを何度も経験しています。
- ウソの料金案内: 最初は「安いですよ」と言って契約させておきながら、しばらく経つと、何の説明もないまま驚くほど高い料金を請求したため、たくさんのお客さんから訴えられました。
- 高すぎる電気代: 特にニューヨークなどの裁判では、大手電力会社よりも6割以上も高い電気代を請求されたケースが報告されています。
- ねずみ講の疑い: 2011年には、このビジネスの仕組みが実質的に「ねずみ講」ではないかと疑われ、裁判にまで発展しました。
会社側はこれらの疑いを否定し続けましたが、人々の間には「安さの裏には危ないワナがある」という強い警戒感が広がってしまいました。
消費者からの苦情とブランド毀損
アメリカの消費者相談窓口には、アンビット社の「不透明な請求」「高い解約金」「強引な勧誘」に対するクレームがたくさん届いていました。
これらの悪い噂はネットを通じて日本の人たちにも伝わってしまい、「安心して使える電気の会社」というイメージを持ってもらうのが難しくなりました。また、日本でもこのような口コミビジネスの強引な勧誘は、消費者庁から厳しくチェックされており、世間の目がちょうど厳しくなっていた時期でもありました。
コロナ禍がアンビット・エナジーに与えた影響

2020年から始まった新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックは、アンビット・エナジー・ジャパンの成長モデルに深刻な影を落としました。
コロナで対面説明が出来なくなった
口コミビジネス(MLM)の一番の強みは、人と人が直接会って、仲良くなってから広めていくことです。しかし、コロナ禍によるお出かけ自粛のせいで、これまでのセミナーや、お家に遊びに行ったりカフェで会ったりする誘い方が全くできなくなってしまいました。
ネットを使った説明にも挑戦しましたが、電気の契約(検針票の見方や乗り換えの手続きなど)は内容が少し難しいため、直接会って丁寧に説明しないと、なかなか納得して契約してもらえません。これが、新しく会員になる人が一気に3分の1に減ってしまった原因の一つです。
売れば売るほど赤字になるドツボ
コロナ禍でみんなが家にいる時間が増え、家庭の電気代は一時的に上がりました。しかし、これが当時の「売れば売るほど大赤字になる状態(逆ザヤ)」をさらに悪化させることになります。
お店や工場向けの電気と違って、家庭用の電気は「仕入れ値が上がったから」といって、すぐにお客さんの電気代へ値上げ分を上乗せするのが難しい仕組みだからです。親会社がコロナ対策に追われる中で、この「日本法人の儲からない、脆い仕組み」は、日本から手を引く大きな原因になりました。
2022年4月の日本撤退発表と事後対応の混乱
アンビット社は2022年4月5日、突然、日本でのビジネスを辞めることを発表しました。この発表は、これまで日本国内で一生懸命に電気を広めてきた、何千人ものビジネス会員(コンサルタント)たちにとって、まさに「寝耳に水」の大ショックとなりました。
撤退のスケジュールと顧客への要請
アンビット社が発表したスケジュールは、電気という毎日の生活に欠かせないサービスにしては、ありえないほど急なものでした。
- 4月5日: 日本でのビジネス終了と、新しい申し込みのストップを発表。
- 4月末: お客さん(約6万人)に、よその会社へ乗り換えるための案内を郵送。
- 5月31日: 電気の販売を完全にストップ。
会社側は「5月末までに自分で次の電力会社を見つけてくれないと、電気が止まるかもしれません」と厳しく伝えたため、お客さんたちはパニックになりました。
普通、こうした会社が辞めるときは、次のおすすめの電力会社をまとめて紹介してくれることが多いのですが、アンビット社はそれをせず、お客さん一人ひとりに自分で探して手続きをさせるという大変な負担を強いたのです。
ビジネス会員への報酬支払いの打ち切り
ビジネスを広めてきた会員(コンサルタント)たちにも、厳しい現実が突きつけられました。会社は、2022年5月と6月の分を最後に、これまでのボーナス(報酬)の支払いを完全に打ち切ることを決めたのです。
「毎月ずっと入ってくる安定した収入」を夢見て、何年も一生懸命がんばってきた会員たちにとって、仕事のベースが突然なくなる事態となりました。これは、口コミビジネス(MLM)の「もろさ」と、外国の会社の「引き際の冷たさ」を思い知らされる出来事として、業界の歴史に深く刻まれることになりました。
日本における新電力事業者の廃業ラッシュ
アンビット社の撤退は、この会社だけの問題ではありません。2022年は、日本の新しい電力会社全体が「会社を続けられるかどうか」の、大ピンチに立たされた年だったのです。
相次ぐ倒産と撤退の比較
電気の元になるガスなどの値上がりや、仕入れ価格の激しいアップダウンにより、実力のある多くの新しい電力会社がビジネスをあきらめて、辞めていきました。
| 事業者名 | 撤退・停止の状況 | 撤退・破綻の主な理由 |
|---|---|---|
| アンビット・エナジー・ジャパン | 2022年5月 事業終了 | 国際情勢による電力価格高騰、親会社の戦略転換 |
| エルピオでんき | 2022年4月 小売停止 | 調達コストの激増による採算悪化 |
| ISエナジー | 2022年4月 破産手続き | 資金繰りの悪化、支払いの遅延 |
| あしたでんき (TRENDE) | 2022年6月 供給終了 | エネルギー市場の混乱、不透明な将来予測 |
| 熊本電力 | 2022年3月 事業停止 | 送電契約の解除、経営の不透明性 |
| 自然電力 | 2022年11月 小売撤退 | 採算確保の困難、卸売価格の高騰 |
これらの会社に共通していたのは、自分のところで発電所を持たずに「仕入れた電気を売るだけ」だったことや、仕入れ値が跳ね上がったときの対策ができていなかったことです。
2022年の1年間だけで、全体の約2割にあたる約146社もの新しい電力会社が倒産や撤退に追い込まれました。この事実は、よその市場に頼りすぎる日本の電気の仕組みが、どれほど危険なものであるかを浮き彫りにしました。
大手の電気代のほうが安くなる
新しい電力会社の最大の武器は、大手の電力会社よりも「電気代が安い」ことでした。しかし、燃料の値上がりによって、その立場が完全に逆転してしまいます。
大手の電気代には「燃料がどれだけ値上がりしても、これ以上は料金に上乗せしない」という上限(ストッパー)がありました。一方で、アンビット社を含む多くの新しい電力会社にはその上限がなかったため、結果として「新しい電力会社のほうが、大手よりも電気代が高くなる」というおかしな現象があちこちで起きてしまったのです。
これにより、「安さ」の魅力を失ったお客さんたちが次々と大手の電力会社へ戻っていき、アンビット社の口コミビジネスを支えていたお客さんの基盤は、根底から崩れてしまいました。
我々は何を学ぶべきか?インフラ系MLMの教訓
アンビット社が日本から撤退したことには、たくさんの教訓が含まれています。これは単に一つの会社が失敗したという問題ではありません。私たちの毎日の生活に絶対に欠かせない「電気」という大切なライフラインを、仕入れ値が変わりやすく不安定なビジネスの仕組みに頼ることの怖さを教えてくれています。
「次の電気会社は自分で探してね」無責任
電気は、もし止まってしまうと私たちの命や毎日の生活にすぐに関わる本当に大切なものです。
今回アンビット社が、お客さんに「自分で次の会社を探してください」と丸投げして責任を放棄したような形になったことは、今後の新しい電力会社に対するルールの決め方に大きな影響を与える可能性があります。
そのため日本では今、電力会社が辞めるときにお客さんが困らないようルールを厳しくする動きが進んでおり、電気が突然止まるのを防ぐための「守りの仕組み(セーフティネット)」が改めてとても重要視されています。
親会社ヴィストラはいま、何してる?
日本から手を引いたアンビット社の親会社(ヴィストラ社)は、今、生き残りをかけて「これからの時代に合わせた新しい電気の形」を見せてくれています。
- 「自分の発電所」でコストを安定させる: 値段がコロコロ変わるよその市場から電気を買うのをやめて、コストが安定している「自分のところの原子力発電所」や「太陽光などのエコなエネルギー」をフル活用する強みを持とうとしています。
- AIやデータセンターに狙いを定める: 一般の家庭を一件ずつまわってお客さんを増やすのではなく、24時間365日、絶対に電気を止められない「AIのデータセンター」や「大手のIT企業(アマゾンやメタなど)」と長年のまとめ買い契約を結び、そこにすべての力を集中させています。
- デジタル技術でスマートに管理: 最新の電気メーターなどのデータやAIを使い、「どれくらい電気が必要か」を賢く予測して、ムダのない効率的な運営を行っています。
これらの動きを見ると、かつてのアンビット社のように「人の紹介(口コミ)を使って、ただ安さだけを武器に売る」というやり方は、価格が激しく変わる今の電気の世界では、もう時代遅れになっていることがよく分かります。
日本撤退から学ぶべき教訓とは?

アンビット社が日本でのビジネスを辞めたのは、一見すると「世界的なガスや石油の値上がり」が原因に見えますが、実はその裏にいくつかの大きな理由がありました。
アメリカの本社が過去の記録的な大寒波で大赤字を出したこと、それによって「儲かりにくくリスクの高い日本市場」をバッサリ切り捨てる判断をしたこと、そして日本では自分の発電所を持たずに「よその市場」から電気を買うしかなかったことです。これらの弱点が重なり、電気の口コミビジネスは耐えきれなくなってしまいました。
電力の自由化が始まったころに期待された「みんなで電気を紹介し合って豊かになろう」という夢は、世界情勢や仕入れ値のハプニングという現実の前に、あっけなく崩れてしまったのです。
これからの時代は、自分のところでしっかり発電所を持っている会社や、仕入れ値のハプニングに上手に対応できる会社、そしてデジタル技術を上手に使える強い会社だけが生き残っていけます。アンビット社の撤退は、「誰でも簡単に電気を売って儲けられる時代」の終わりを告げる、象徴的な出来事だったと言えます。
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