インクルーズMLMのクルーズ旅行は日本に根付くのか?

目次

日本でのクルーズ旅行MLMはなかなか難しい

昔ワールドベンチャーズというネットワークビジネスが流行りました。「旅行がMLM?ダメなんじゃないの?」と私は思いました。なぜならば、日本では売り上げトップ10に入る企業はだいたいが、サプリメントか化粧品です。旅行という商材は日本人には、あまりなじまない。ましてや世界旅行は・・・

と思っていたら、意外にもワールドベンチャーズは盛り上がりを見せ、インターネットでも広がりを見せて、それにつられて参加する人も増えていきました。あー、なるほどー、サプリ以外でも伸びるのか。。。と思ったりしましたが。

が、しかし、コロナがやってきて、倒産。むー。コロナだからしょうがないと言えばしょうがないけれど、やはりだめだったか。。。

ところが、またインクルーズと言う、今度はクルーズ船のMLMがはやり始めています。inCruises(インクルーズ)のクルーズ旅行MLMは日本に根付くのか?

日本での豪華客船旅行(クルーズ)とネットワークビジネス(MLM)の市場環境は、期待はしたいけれど、ちょっと嘘くさい感じが入り混じった感じでしょう。

日本人が抱くクルーズ旅行へのイメージは、いまだに「お金持ちだけの特別なもの」であったり、「長い休みが取れないと無理」といった、自分とは無縁な遠い存在だと感じさせるハードルが高いままです。

その一方で、元気に活動されているシニア世代を中心に、「機会があれば行ってみたい」という隠れた本音や需要は、間違いなく存在しています。

ですが、もし「ネットワークビジネス(MLM)」というやり方を選ぶのであれば、日本ならではの世間の厳しい目や、法律による細かいルールの制限を、調べ上げる必要があります。

「ネットワークビジネス」というやり方は、今の日本において、世間から非常に厳しい目で見られているという現実があります。一部の参加者の人たちのせいで業界全体に対するイメージがひどく悪くなってしまっています。

このように世間から信用されていないという状態は、単に「物が売れるかどうか」という商売の話だけではありません。日本人が大切にしている、人と人との付き合いにおける「信用の重み」と深く関わっているのです。

これらの心の問題や、仕組みとしての課題を乗り越えて、日本の市場で長く安定して成長していくためには、これまでの「儲かりますよ」という点ばかりを強調する誘い方をやめなければなりません。

それよりも、日々の暮らしの質を高めることや、法律を徹底して守ることを土台とした、新しい進め方がどうしても必要になります。

クルーズ旅行に対する想いと現実とのずれ

日本で元気に活動されているシニア世代の方々を対象にしたアンケートの結果を見てみると、旅行は今でも変わらず一番の楽しみとなっています。その中でも特に「豪華な列車の旅やクルーズ船の旅」に憧れを持っている人たちは全体の30.6%もいらっしゃいます。

しかし、実際にこうした旅を体験したことがある人たちはたったの3.8%にとどまっており、そこには憧れている人の数と実際に体験した人の数の間に、8倍近いものすごく大きな「ズレ(開き)」が存在しています。

このズレが生まれている理由としては、時間の余裕やお金の問題があるというだけでなく、情報の伝わり方が一方的である(詳しい人とそうでない人の知識に大きな差がある)ために、よくわからないことからくる不安があることが挙げられます。

クルーズ旅行に関する意識項目憧れ・嗜好(%)実際の体験(%)乖離倍率
豪華列車・クルーズ船の旅30.63.88.05
1ヶ月を超える長期の旅10.30.812.87
海外旅行での絶景・風景鑑賞64.414.54.44

このデータは、心の中で「やってみたい」と思っている人はものすごく多いものの、お客さんが「よし、これに決めた!」と最後の一歩を踏み出すための「きっかけ」が足りていないということを表しています。

ネットワークビジネスがアピールしている「会員制にすることで安く旅行に行ける」という点や、「一緒に楽しむ仲間ができる」というおまけの価値は、理屈の上では、この「やってみたいけれど、できていない」というズレを埋めるための効果的なやり方になるはずです。

しかし、現実は「どんなサービスなのかがはっきり見えない」「予約が取りにくいのではないか」「後から別の費用がかかるのではないか」といった心配があり、それが信じてもらうための邪魔をしています。

特にインクルーズのような仕組みにおいては、ポイントが貯まってお得になるというルールや、選べる船の種類に制限があること、または公式サイトの値段と比べてどうなのかといった点が厳しくチェックされる対象になっています。そのため、お客さんが「本当にこれはお得なのかしら?」と疑いを持ってしまいやすい作りになっているのです。

ネットワークビジネスに対する拒絶反応が・・・

日本において、ネットワークビジネスが「怪しい」と言われてしまう一番大きな理由は、誘い出すまでの過程で「本当のことを隠している」という点にあります。特定商取引法という法律では、「自分の名前や会社名を名乗ること」や「勧誘が目的であることを隠してはいけない」と決められています。

しかし、それを無視して、友人や知人を「ランチに行こう」とか「趣味の集まりがあるよ」といった名目で呼び出し、後からビジネスの話を切り出すというやり方は、日本の消費者にとっては「裏切られた」と感じる行為になります。

一度失ってしまった世間からの信用を取り戻すことは、ものすごく難しいことです。そのビジネスに関わっているという事実だけで、これまでの人間関係が壊れてしまうかもしれないという怖さは、参加しようか迷っている日本人にとって、心の一番大きな負担(コスト)になっています。

また、テレビやニュースなどでのマイナスな報道や、過去に実際に起きた「騙された」「損をした」という被害の例が積み重なっていることも、無視できない事実です。特に、海外に拠点がある旅行のネットワークビジネスの場合、「日本の法律が通用しないのではないか」という不安や、実際にトラブルが起きた時に「解約やお金を返してもらうのが大変そう」という点が、大きな心配の種になっています。

各地の消費生活センターに寄せられた相談の内容を調べてみると、「ちっとも稼げない」「辞めさせてもらえない」「紹介料の仕組みが実態と違う」といった不満がほとんどを占めています。こうした不満がSNSなどで広まることで、「あそこは良くない場所だ」という悪いイメージが、世の中に定着してしまっているのです。

なぜ日本にクルーズMLMは浸透しないのか?

日本において、豪華な船の旅(クルーズ旅行)がなかなか広まらない理由はたくさんありますが、それらは大きく分けると「安全面への心配」「文化の違いからくる違和感」「時間とお金に関する勘違い」の3つになります。

これに加えて、ネットワークビジネス(MLM)独特の「なんだか怪しい」という不信感が混ざり合うことで、その仲間に加わろうとするためのハードルは、ものすごく高くなってしまっています。

タイタニックを想像してなんとなく不安

日本人は災害に対してとても高い関心を持っていて、その気持ちは旅行先を選ぶときにもはっきりと現れます。アンケート調査の結果を見てみると、「大きなクルーズ船であっても、昔起きた事故のことを思い出してしまって不安になる」「もしも座礁したときに、映画のタイタニックのような状況になってしまうのではないかと想像してしまう」といった意見があちこちで見られます。

また、海の上という周りから切り離された場所であることから、万が一何かが起きたときに、きちんと対応してもらえるのかどうかという不信感も根強く残っています。こうした心の中にある不安の壁は、数字に基づいた「科学的な安全性のデータ」を見せられるだけでは取り除くことができません。不安な気持ちに寄り添うような伝え方や、実際に体験した人が語る「本当のところはどうだったか」という現実味のある報告が必要とされています。

「豪華」という言葉が逆効果に・・

「豪華客船」という呼び方そのものが、一部の日本人にとっては「自分たちの住む世界の話ではない」という、仲間外れにされているような感覚を生んでしまっています。パーティーのような場所での服装の決まり(ドレスコード)に対する不安や、船の中での振る舞い方を知らないといった知識不足は、旅行を楽しむ気持ちよりも、緊張や気後れを先に立たせてしまう原因になります。

その一方で、シニア世代の女性の中には「ゆったりと贅沢な旅行をしてみたい」という強い憧れがありながらも、「みんなでゾロゾロ動く団体ツアーには入りたくない」と感じ、かといって「自分一人ですべて手配する自由な旅行は不安だ」と感じるという、あべこべな心の状態(アンビバレンツ)が存在しています。

この「自分の好きなようにできる自由さ」と「困ったときも大丈夫という安心感」をいかに両立させるかということこそが、サービスを組み立てるうえで、最も大切な鍵になります。

MLMに対するアレルギーが根強い

日本社会において、ネットワークビジネス(MLM)がこれほどまでに嫌がられているのは、ただの感情的な理由からではありません。実際に被害を受けた例に基づいた、「自分を守らなければならない」という本能のようなものです。

過去には、学生や若い人たちをターゲットにして、消費者金融(サラ金)から借金をさせてまで契約を無理強いするような、とても質の悪い勧誘が行われてきた歴史があります。

こうしたケースでは、本当は勧誘が目的であることを隠して呼び出したり、「成功した人はこんなに派手な暮らしをしている」と強調して、大げさに稼げる話をして勧誘することが当たり前のように行われてきました。これが、「ネットワークビジネス=詐欺である」という、単純ではありますが、とても強力な結びつきを日本人の意識に植え付けてしまったのです。

MLMに対する懸念具体的な理由法的なこと
信用の喪失友人・知人を利益の対象とすることへの嫌悪感 氏名・目的の不明示
強引な勧誘カフェや深夜までの長時間拘束、断れない雰囲気 迷惑勧誘、不退去
収益の不透明性「誰でも稼げる」という言葉と実態の乖離 不実告知、誇大広告
サポートの欠如海外事業者への連絡不能、返金拒否 クーリング・オフ妨害

戦略1:「ライフスタイル・コンシェルジュ」

日本人の(クルーズ旅行に対する)興味の低さや、よく知らないという現状を打ち破るための最初の作戦は、これまでの「お金が稼げますよ」という仕事面ばかりを強調する誘い方を完全にやめて、専門的な知識を持った「クルーズ旅行のプロフェッショナルな集まり」として自分たちのあり方を作り直すことです。

この作戦では、ネットワークビジネス(MLM)でもらえる報酬の仕組みを、お金を手に入れるための「目的」として考えるのではなく、質の高い旅行を楽しみ続け、それを世の中に広めていくためのお手伝いに対する「正当なアドバイス料」として位置づけることにします。

クルーズに関する情報を提供、教育していく

日本人が抱いている「なんだか怖いという不安」や「よくわからないという知識不足」をなくしていくためには、ただ知り合いを紹介するだけの人ではなく、客船のこれまでの歴史や、進むルートの安全性、船の中での振る舞い方(マナー)、そしてそれぞれの船の会社ごとの特徴について、とても詳しく知っているアドバイザーが必要になります。

仲間に加わった人たちに対して、ビジネスとしての「人の誘い方」を教えるのではなく、クルーズ旅行に関するプロのような知識を身につけてもらうための学習の仕組みを、グループの活動の一番大切な中心部分に置くようにします。

  1. 専門資格化: 組織内で独自の「クルーズ・プランナー」や「アンバサダー」等の認定制度を設け、一定の知識試験をクリアした者のみが活動を行えるようにします。これにより、不実告知や知識不足によるトラブルを避けられます。
  2. リスク説明の義務化: 「良いことばかりを言わない」ことが最大の信頼構築です。予約の制限(3ヶ月前までの予約必須など)や、特定の船社でしかポイントが使えないといったデメリットを、メリット(2倍のリワード還元など)とセットで、論理的かつ誠実に説明するカウンセリング手法を導入します。

「地域の居場所」としての存在価値になる

インターネットやSNSでのつながりが当たり前になっている今の時代だからこそ、あえて直接会って生まれる「信頼関係」をもう一度作り直すために、その土地に密着した交流の場所を役立てます。

大田区にある誰でも集まれるコミュニティスペースや、地域で行われている「子ども食堂」に見られるような、困ったときはお互い様という助け合いの気持ちで作られた拠点を参考にして、クルーズ旅行について情報を教え合ったり相談したりできる、実際に足を運べる場所を準備します。

  • 無料イベント開催: 最初からビジネスの勧誘を行うのではなく、純粋な「クルーズ旅行体験談を語る会」や「シニアのための海外旅行マナー講座」といった、地域貢献や教育的側面の強いイベントを主催します。参加者が自発的に「どうすれば自分もそんな旅ができるのか」と問いかけてくる環境を醸成する。
  • 新産業拠点として: 最新のテクノロジーや、こだわりの食、そして新しいビジネスを立ち上げようとする人たちが集まる場所での交流を通して、クルーズ旅行のことを「これまでの暮らし方を変えてみるための、新しい挑戦の場」として提案します。ここでは、ただの観光旅行として楽しむだけでなく、旅先で仕事をこなす「ワーケーション」や、船の上で新しい仕事仲間を作るコミュニティ作りといった、自分自身の価値を高めるような特別な使い方を、具体的な例を挙げて伝えていきます。

シニア層の「孤立解消」と「自己実現」の場

元気に活動されているシニア世代の方々が、旅行に対して心の底から求めている本当の価値というのは、単にどこかへ出かけたり景色を眺めたりすることだけではありません。「周りの人たちとの温かいつながり」や、「これまで知らなかった新しい自分に出会うためのチャレンジ」なのです。

シニアが求める価値具体的な方法期待される効果
孤独の解消共通の趣味(クルーズ)を持つ仲間との定期的なサロン運営継続率の向上
自己成長船内マナーや外国語、歴史を学ぶ講座の提供「学ぶ喜び」が参加動機になる
家族貢献孫や配偶者との「孫旅」「夫婦旅」の企画支援ビジネスへの家族の理解と協力

この作戦は、ネットワークビジネス(MLM)というものを、単なる「お金儲けを目的に集まったグループ」から、「豊かで楽しい老後を自分たちで作り上げていく、助け合いの集まり」へと、より価値の高いものへと高めていくものです。

お金(報酬)を受け取ることは、クルーズ旅行の知識を教えたり、みんなが楽しく過ごせるように集まりを支えたりすることに対する、正当なお礼としての代金であるとはっきり決めます。そうすることで、日本人ならではの「お金をもらうことへの後ろめたさや、申し訳ないという気持ち」を取り除いていくのです。

戦略2:嘘偽りない本当のことを言う戦略

二番目の戦略は、インターネットなどのデジタルの世界において、隠し事がないという圧倒的な「信頼感(透明性)」と、実際に体験したからこそ言える「本物の言葉」をしっかりと築き上げ、ネットワークビジネス(MLM)に対して抱かれている「なんだか怪しい」というマイナスの先入観を打ち消していくやり方です。

今の時代に旅行をする人たちは、まず自分で検索サイトを使って調べるよりも先に、SNSで誰かが実際に楽しんでいる様子を見つけて、その「素敵だな、私も行ってみたい」という憧れの気持ちをきっかけにして、具体的な行動を始めるようになっています。

インフルエンサーを活用した「ライフスタイル」の提示

単にフォロワーの数が多いだけの有名なインフルエンサーではなく、特定の分野や価値観において、周りの人から「この人の言うことなら間違いない」と強く信頼されている「ニッチで確かな専門家」に協力してもらい、クルーズ旅行が「いつもの暮らしの延長線上にある、ちょっと素敵な贅沢」であることを、目に見える形ではっきりと示していきます。

  • ソロ旅系インフルエンサー(例:いけちゃん氏): 「一人でも安心、一人だからこその贅沢」をテーマに、船内での安全な一人旅の魅力をVlog形式で発信。
  • ファミリー・孫旅系インフルエンサー(例:ぐりぐらママ氏): 子連れでも楽しめる船内の充実したアクティビティや、親の負担が少ない移動の利便性を強調。
  • 絶景・Vlog系インフルエンサー(例:Nagi & Shin氏): 圧倒的な映像美で寄港地の美しさや船上のサンセットを伝え、「保存」を促す。
  • 「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」の質的向上: 既存会員に対し、映える撮影方法の講習や、事実に基づいた誠実な感想の発信を推奨する。過度な「儲かっているアピール」を禁止し、クルーズ船内での読書や食事といった、静かで質の高い体験を共有させることで、ブランドイメージの浄化を図る。

MLMの内部情報をもっとオープンに

ネットワークビジネスが周りから怪しまれたり、信用されなかったりする一番の理由は、大切な話が「隠されていたり」、あるいは「特別な人たちだけにしか教えられない」というように、中身が外からは全く見えない場所で進められることにあります。

そこでこの作戦では、隠し事を一切せずに、まるでお家の中が外から丸見えの「ガラス張り」のような状態にして、情報をすべて包み隠さずオープンにするという姿勢を最後まで守り抜きます。

見せかけの数字よりも、親密さが大事

SNSマーケティングにおいて、単なる「いいね」よりも「保存」の数こそが、将来の参加意向(ニーズ)を測る重要な指標とます。

SNS指標旅行マーケティングにおける意味戦略的活用
リーチ数クルーズそのものの認知拡大インフルエンサーによる大規模発信
保存(Save)数「いつか行きたい」という強い潜在ニーズ詳細なガイド記事、価格比較表の投稿
保存率(保存/リーチ)コンテンツの信頼性と有用性の証明平均の20倍以上の保存率を目指す
DM・コメント数具体的な不安の解消、個別相談知識豊富なアドバイザーによる丁寧な回答

デジタルツール(スマホやパソコンのアプリなど)を、単に「誰かを誘い込むための道具」として使うのではありません。そうではなく、「誰に対しても隠し事がないことを証明し、正しく学んでもらうための相談窓口」として役立てます。

それによって、こちらから無理に誘うのではなく、「興味を持ったお客さんが自分で色々と調べ、納得した上で、自分の方から『詳しく教えてください』と訪ねてきてくれるような仕組み(インバウンド型MLM)」へと形を変えていくことを目指します。

コンプライアンスをしっかり守る

日本という場所で、これから先も長く安定して活動を続けていくためには、「特定商取引法(強引な勧誘などを防ぐための法律)」や「景品表示法(大げさな宣伝やウソの表示を禁止する法律)」といった決まりごとを守ることが、何よりも大切です。

ルールを徹底して守ることは、ライバル会社や活動を批判してくる人たちから自分たちの身を守るための強力な盾になります。そして何より、「ここはちゃんとしているな」とお客さまに心から安心してもらうための、信頼の証にもなるのです。

特定商取引法に基づく禁止行為とリスク管理の徹底

  • 氏名・名称の明示義務: 勧誘に先立って、販売目的であることを告げ、事業者の名称を明らかにしなければならない。これを怠る「ブラインド勧誘」は、行政処分の対象となる。
  • 再勧誘の禁止: 一度断った相手に対し、執拗に勧誘を続けることは禁止されている。
  • 不適切な勧誘の防止: 知識や経験、財産状況に照らして不適当な勧誘(特に学生への借金勧誘や、虚偽の職業記載の指示)は厳禁である。

景品表示法と誇大広告の抑止

  • 効果・収益の根拠: 「1週間でシミが消える」といった化粧品広告の違反事例と同様に、「月収〇万円確定」といった根拠のない収益保証表現には厳しいチェックが入る。
  • 不利益情報の開示: 商品価格以外に発生する高額な追加費用(例:クルーズ船内での有料サービス、港湾税など)を事前に説明しないことも、不実告知や重要事項の不告知と見なされるリスクがある。

法的責任の所在と個人賠償リスク

日本でのinCruises関連の活動において強調されているのは、不適切な勧誘を行った場合、訴えられるのは会社だけでなく「紹介した個人自身」であるという点です。この個人的な法的責任を会員に強く自覚させることで、無責任な言動を抑止します。

違反カテゴリー具体的な罰則・不利益影響の範囲
行政処分業務改善指示、業務停止命令、公表 企業全体のブランド崩壊
刑事罰懲役または罰金 個人の人生への重大なダメージ
民事責任契約の取消し、損害賠償請求 金銭的な損失
社会的制裁マスコミ報道、半永久的な公表 再起不能な信用の喪失

世代別アプローチ戦略

日本人のニーズを呼び起こすには、世代ごとに異なる旅行の動機と、MLMに対する警戒心を見極める必要があります。

Z世代:稼ぐよりも、お得に世界を見る

若年層は、豪華客船を「映える」舞台としてだけでなく、定額(サブスク)で多くの寄港地を巡れる「効率的な移動手段」として捉える傾向があります。

  • 戦略: 「稼ぐ」よりも「いかにお得に、賢く世界を見るか」というスマートな消費スタイルとして提示する。SNSでの発信力そのものを資産化できる仕組みと連動させる。
  • 注意点: 借金をさせてまで入会させるような行為は、将来の顧客を失うだけでなく、法的にも最も厳しく罰せられる対象となるため、徹底した排除が必要である。

アラフォー世代:将来不安の解消と「居場所」

この世代は、会社と家庭以外の「第三の居場所」を求めていると同時に将来の経済的安定に対しても敏感です。

  • 戦略: 報酬を「お小遣い稼ぎ」ではなく、将来の旅行資金を確実に積み立て、かつ同じ価値観を持つ仲間と繋がるための「福利厚生」として位置づける。
  • 注意点: 時間の余裕がない層に対し、深夜までの長時間勧誘や無理な活動を強いることは、即座に離脱とSNSでの批判を招く。

シニア世代:健康・孤独解消・社会貢献

前述の通り、この世代は最大のボリュームゾーンであり、旅行への関心も高い。

  • 戦略: クルーズを「健康寿命を延ばすための知的なレジャー」として提案する。ピースボートの「おりづるプロジェクト」のように、旅を通じて社会貢献ができる仕組みを付加することで、参加の意義(大義名分)を与える。
  • 注意点: 高齢者への繰り返し電話や、不必要な契約をさせる行為は厳禁であり、家族の同意を得るプロセスを推奨するなどの配慮が求められる。

海外MLMへの不信感と日本独自の解決策

拠点が海外にある旅行MLM(inCruises等)の場合、「トラブル時に逃げられるのではないか」という不安は確かにあります。

日本窓口の設置と透明性

  1. 国内サポートの充実: 日本語での電話・メール対応、時差のない返信体制、そして日本の法律(特商法)に精通した法務担当者の配置。
  2. 決済の透明性: ポイント付与の仕組みや現金払いの割合が変更された際の、丁寧かつ事前のアナウンス。事後報告や不透明な規約変更は、日本市場では致命的な不信を招く。
  3. クーリング・オフ制度の自動化: 海外サイトでの契約であっても、日本の消費者がワンクリックでクーリング・オフ(無条件解約)の手続きを始められるような、日本独自のインターフェースを開発・実装する。

クルーズ船社との提携の深度化

inCruisesにおいて指摘されている「最大手のロイヤルカリビアンや日本船が予約できない」といった制限は、日本の旅行者にとって大きなマイナス要因です。

  • 提携先の拡大と日本向けアレンジ: 日本人に人気の高い飛鳥IIやにっぽん丸、あるいは日本発着の海外ブランド船(ダイヤモンド・プリンセス等)との提携を強化し、ポイントが使える範囲を「日本人のニーズ」に最適化させる。
  • 価格の妥当性証明: 会員サイトの価格が公式サイトより高い場合があるという懸念に対し、予約タイミングや特典を含めた総合的な「価値」で説明を尽くす。

結論:日本流MLMの広げ方「信頼」「情報」「安心」

豪華客船を楽しむネットワークビジネスを日本の方々に知ってもらい、参加していただくための作戦は、結局のところ「ネットワークビジネスという仕組みを、いかに日本に合う形に進化させられるか」にかかっています。

日本人が抱いている「一度は豪華客船に乗ってみたい」という憧れ(心の奥にある願い)と、「ネットワークビジネスはちょっと苦手だ」という嫌悪感(心の壁)のバランスをしっかり読み解くことが大切です。

前者のワクワクする気持ちを一番大きく膨らませ、後者の苦手意識を「どこまでも隠し事のないオープンな姿勢」と「正しい知識を伝えること」によって取り除いてしまうことこそが、唯一の成功への道です。

まず第1の作戦である「ライフスタイル・コンシェルジュ」という形は、自分の友達や知り合いをただ勧誘して人間関係を使い切ってしまうようなものではありません。そうではなく、旅の専門知識という「プラスアルファの役立つ情報」を周りの方々に提供することで、「この人に聞けば安心」という信頼を積み重ねていく方法です。

もう一方の、第2の作戦である「デジタル・トラスト(デジタルによる信頼)」という形は、情報の格差(知っている人だけが得をする状態)をなくすものです。今の時代の買い物の仕方に合わせて、「憧れの旅」を誰もが納得できるわかりやすい仕組みとして整えるものです。

これら2つの作戦を進める上では、これまでのネットワークビジネスで大事にされてきた「新しく何人入会したか」という数の多さよりも、ルールをしっかり守っているかや、会員さんが実際にどれくらい旅を楽しんでいるかといった「信頼の質」を一番に考えるべきです。

最後に目指すべきところは、「お金が稼げるから参加する」という人を集めることではありません。「この仲間たちと一緒に、この素晴らしい旅を、自分にとって大切な家族や友人と分かち合いたい」と心から願う人を増やすことです。

KAZUHIDE

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