【完全図解】ネットワークビジネス(MLM)の仕組み 収益・商品・流れを解説

ネットワークビジネス(MLM)、マルチ商法という名前は多くの人にとって聞き覚えのあるものでしょう。

一部の人にはそのビジネスモデルにより夢と希望を与える一方で、様々な誤解や偏見も生んできました。

しかし、その本質的な仕組みを理解すれば、ネットワークビジネスは個人の成長と経済的自立を同時に実現できる可能性を秘めたシステムであることがわかります。

本記事では、ネットワークビジネスの仕組みを図解を交えて詳細に解説。

商品流通の特徴から、収益構造、組織づくりの戦略までを専門家の視点で徹底的に分析します。

この記事を読めば、ネットワークビジネスに興味がある方、すでに参加している方、さらには批判的な見方をしている方まで、MLMが多くの人を魅了し、人気である理由が見えてくるはず。

それでは、見ていきましょう。

【図解】商品流通の仕組み ネットワークビジネス

ネットワークビジネスの独特な商品流通システムは、従来の小売業とは異なる特徴を持っています。

その仕組みを理解することは、ビジネスチャンスを見極める上で重要。

まずはネットワークビジネスの仕組みを理解するにあたって必要な前提知識について解説していきます。

ネットワークビジネスを理解するための前提知識

まず、ネットワークビジネスの基本概念を押さえましょう。

ネットワークビジネスは一般的な流通経路を介さずに、会員同士のネットワークを通じて商品やサービスを販売するシステム。直接販売の一形態です。

この商品の流通経路の違いが、ネットワークビジネスの特徴の一つで、従来の中間マージンを省くことで、品質の高い商品を適正価格で提供できることにつながります。

また、ネットワークビジネスには階層構造があります。新規会員を紹介することで、自分の下に組織（ダウンライン）を構築できる仕組み。この階層構造が、独特の報酬システムを可能にしているのです。

成功の鍵は、品質の高い商品やサービスを提供することと、信頼性のあるネットワークの構築。信頼できる商品を扱い、確実な販売網を築くことで、安定した収益を得ることが可能です。

広告に依存せず口コミによって広がる

ネットワークビジネスの最大の特徴の一つは、広告に依存せず、口コミによって商品やサービスが広がること。

代わりに、会員同士の口コミによって商品やビジネスチャンスが広がっていきます。

広告に頼らないメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

広告費を抑えることで、商品の価格を抑えたり、別のことに費用を割いたりすることができます。

また、知人からの紹介は、見知らぬ企業の広告よりも信頼性が高く感じられ、口コミは自然と適切なターゲットに届く傾向に。

口コミの力は非常に強力で、満足した顧客が新たな顧客を呼び込む連鎖反応を引き起こします。この連鎖反応がネットワークビジネスの成長を加速させるのです。

例えば、健康食品や美容製品といった商品は、個人の体験談や使用感が重要な役割を果たします。

これらの製品は、効果が実感されやすく、顧客がその効果を他人に伝えることで口コミが広がりやすいです。

ディストリビューター自身がその商品の効果を体験し、信頼をもって紹介することで、顧客に対する説得力が増し、購入につながりやすくなるでしょう。

品質が良い商品・サービスを扱える理由

ネットワークビジネスで扱われる商品やサービスは、一般的に高品質であることが多いです。

これは、ディストリビューター自身が商品を使用し、その品質を確認した上で販売しているため。

また、商品の品質が低ければ、口コミによる評判が悪くなり、ビジネスが成り立たなくなるため、ネットワークビジネスの仕組み上、低品質な商品は長く続きません。

ネットワークビジネス企業は、広告費を抑えられる分、商品の研究開発に多くの資金を投じることができます。

また、多くの企業で見られるのが、製品開発において厳格な品質管理。原材料の選定から製造工程、出荷までの全ての過程で品質管理が行われ、顧客に安心して使用してもらえる製品を提供しています。

これにより、ディストリビューターは自信を持って製品を紹介し、販売することができ、消費者は納得して製品を購入できるという良い循環が生まれます。

収益・報酬の仕組み ネットワークビジネスで稼ぐ方法

ネットワークビジネスの魅力の一つは、その独特な報酬システムに。商品を販売するだけでなく、組織を構築することも継続的な収入につながる可能性があります。

ここでは、MLMの収益や報酬に関わる仕組みについて詳しく確認していきます。

会員の種類 MLMの会員登録について

ネットワークビジネスの会員は、大きく2つに分けられます。

一般的な消費者としての会員と、ビジネスが許可されている事業者としてのディストリビューターです。

よくある会員登録の流れとしては、次のようになります。

多くのネットワークビジネス企業が、まずは一般会員として商品を試すことを推奨しています。

実際に商品の良さを実感してから、ディストリビューターにステップアップするという流れ。

この流れが、商品を試したことのない人やビジネスの知識が全くない人がディストリビューターとなり、トラブルを発生するのを防いでいます。

タイトル・ランク MLMの仕組み

ネットワークビジネスにおいては、ビジネスの活動成果に応じて、タイトルやランクが設定されます。

これらのタイトルやランクは、報酬体系にも影響を与え、上位のランクに達することで、より高い報酬を得ることに。

各ランクの昇格条件は会社によって異なりますが、例えば以下の要素が考慮されます。

ランクが上がるにつれて、より高い報酬率が適用されたり、ボーナスの種類が増えたりします。

一方で、ランク昇格条件を満たすために、自腹で商品を買い込んだり、ダウンのために商品を買ってあげたりするなど、金銭的なトラブルにつながりやすい点でもあります。

商品の販売に伴って発生する利益

ネットワークビジネスの収益源の一つは、商品の販売によって得られる利益。

ディストリビューターは、商品を仕入れ価格で購入し、消費者に販売することで、差額が利益となります。

会員は商品の購入において、割引を得られる場合が多いです。

仮に、ある健康食品のネットワークビジネスで、商品A、Bを取り扱っていて、会員の仕入れ値と販売価格とで異なる場合を見てみましょう。

	会員価格	販売価格
商品A	3,000円	4,000円
商品B	6,000円	9,000円

1ヶ月に商品A、Bをそれぞれ10個仕入れて、全て販売した場合の利益は、以下のようになります。

(4,000円-3,000円)×10個＋(9,000円-6,000円)×10個=40,000円

基本的には、一般的な小売の利益の計算と同じように考えることができます。

還元報酬や紹介料に伴う収益

ネットワークビジネスでは、商品の販売による利益だけでなく、還元報酬や紹介料によっても収益を得ることができます。

ディストリビューターが新たなディストリビューターを紹介すると、その紹介料が支払われます。また、プランにもよりますが、下位のディストリビューターの販売実績に応じて、還元報酬が発生。

各報酬プランについては、【不安を解消】ネットワークビジネスの報酬プラン それぞれを比較解説 の記事で詳しく解説しているのでご確認ください。

報酬プランは複雑で、会社によって大きく異なります。成功のためには、自社の報酬プランを熟知し、最適な戦略を立てることが重要です。

ネットワークビジネスの勧誘の仕組みを図を用いて解説

ネットワークビジネスの成長には、新規会員の獲得が不可欠。その勧誘の仕組みは、従来のビジネスとは大きく異なります。

ここでは、その特徴的な勧誘の流れを図解しながら詳しく解説。

MLMの勧誘の流れを紹介した後、勧誘の際に活用できるABCの法則、セミナーや講演会での勧誘に対しても焦点を当てていきます。

MLMの勧誘の流れ

ネットワークビジネスの勧誘方法は人によって様々なですが、大きく分けると以下のような流れで行われます。

初対面の人を勧誘する際に最も重要なのが、信頼関係を構築する部分です。

信頼できる情報源からの紹介であることが、参加意欲を高める要因の一つに。また、具体的な成功事例や実績を示すことで、ビジネスへの信頼感を高めることができます。

「何をどんな風に言うか」の前に、「誰が」言うかの部分も意識するようにしましょう。

ABCの法則

ネットワークビジネスにおける勧誘のやり方の一つとして有名なものに、ABCの法則というものがあります。

これは、Bさんが、BさんのアップであるAさんに頼んで、Cさんに対する説明をしてもらい、販売(勧誘)をする仕組みのこと。

頭文字	役割	説明
A	Adviser	自分の代わりにCさんに説明を行う人。Bさんのアップにあたります。
B	Bridge	橋渡し役の人。見込み客であるCさんをAさんの元へ連れていく。
C	Customer	見込み客。購入者や会員になってもらいたい人のこと。

Adviser, Bridge, Customerのそれぞれの頭文字をとって「ABC」と言われます。

Bさんに実績がなくても早く結果を出すことができ、経験のあるAさんから現場での動きを学びことができるというメリットが存在します。

セミナー・講演会の勧誘

ネットワークビジネスにおいて、セミナーや講演会は新規会員獲得の重要な機会です。

イベントでは、ビジネスの魅力や成功事例、商品の詳細について詳しく説明されます。また、参加者同士の交流を通じて、ビジネスの可能性を広げることが可能。

自らイベントを開く際は、目的に合わせた自由な構成で進められますが、一例として以下のような流れをご紹介します。

イベントの特徴としては、集団心理を活用しながら、個別対応も行う点にあります。

多くの人が興味を示す姿を見ることで、参加者の関心が高まりやすくなります。ネットワークビジネスへの関心が強い参加者の熱量に触れてもらうことで、感情の変化を期待できるでしょう。

オンラインツールの発達に伴って、気軽にオンラインセミナーを開くことができるようになりました。

オンラインセミナーのメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

メリットも多い一方で、参加者との直接的なコミュニケーションが取りにくいというデメリットもあります。

そのため、チャット機能を活用したり、小規模なブレイクアウトルームを設けたりするなど、参加者の積極的な関与を促す工夫が必要でしょう。

セミナーや講演会は、ネットワークビジネスの魅力を効果的に適切に伝える場。

正確な情報提供と、参加者の自主的な判断を尊重することが、長期的な信頼関係構築につながります。

仕組みづくりと組織化 ネットワークビジネスで成功するために

ネットワークビジネスで真の成功を収めるためには、単なる商品販売や会員勧誘にとどまらず、効果的な仕組みづくりと組織化が重要。

ここでは、強固な組織を構築し、不労所得を得るための戦略について詳しく解説していきます。

強い組織づくり MLMでチームがうまく機能する仕組み

ネットワークビジネス（MLM）で成功するためには、仕組みづくりと組織化が不可欠です。

MLMの特性上、組織全体が成功するには個々の販売員が独自に動くだけでは不十分。チーム全体が一丸となって成果を上げなければなりません。

報酬プランについても、自分が所属する報酬プランについて理解し、勧誘の際にきちんと説明することによって、自分のダウンが安心してビジネスを行える状態になります。

以下に、MLMで成功するための具体的な方法の一部をご紹介。

まずは明確な目標設定が重要です。

成功するためには、短期的な目標と長期的な目標の両方を設定し、それを達成するための具体的なプランを立てる必要があります。

月ごとの売上目標や新規勧誘人数など、具体的な数値を設定することで目標達成に向けた行動が明確に。組織内でも目標を共有するようにしましょう。

仕組み・組織づくりという点では、組織内でのコミュニケーションの強化も成功の鍵となります。

ダウンラインとの密なコミュニケーションを保つことで、悩みや課題を迅速に把握し、必要な時に適切なサポートを提供できます。

特に、地理的に離れている場合や時間的な制約がある際には、グループチャットやZoomなどのビデオツールなどを活用して、情報共有と迅速な対応を心がけましょう。

そして、リーダーシップの育成も重要な要素。

報酬プランを踏まえても分かるように、大きく成功するためには、自分一人ではなく、組織全体で成長していかなければなりません。

自ら主体的に動ける人が組織内にいることで、他のメンバーの刺激にもなり、組織全体の活発化も期待できます。

不労所得をMLMで得る仕組み

ネットワークビジネスの大きな魅力の一つは、不労所得を得る可能性があることです。

不労所得とは、継続的な労働を必要とせずに得られる収入のことを指します。

以下のような仕組みで、労働を少なくして収益を上げることが可能となります。

注意点として、ネットワークビジネスにおける不労所得の獲得は、単なる「楽して稼ぐ」方法ではありません。

そういった意味では不労所得という言い方は不適切であるとも言えます。

むしろ、持続可能なビジネスモデルの構築と、継続的な価値提供の結果として生まれるものです。

まとめ

今回の内容をまとめます。

ネットワークビジネスは、広告費を削減することで、より高品質な商品やサービスを提供しています。

ネットワーク・組織の拡大とともに、利益が大きくなる報酬プランが設定されているため、個人での動きだけでなく強い組織を作るための工夫が必要に。

また、勧誘の仕組みを理解することで、ネットワークビジネスをより多くの方に、より適した方法で広めることができるようになります。